かなじゃーなる

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スウェーデン語が難しいワケを解説

なかなかスウェーデン語の学習が捗らなくて煮詰まっている私です。
今日はそんな私が感じるスウェーデン語が難しいと感じる理由についてまとめてみたいと思います!



注意書き

これは私個人がスウェーデン語の勉強を通して感じたことであり、すべての人に共通することではありません。
またここで表記している文法や名前などは2018年現在で私が通っているスウェーデンの語学学校SFIで教わったもので、ある程度前の文法や表記とは異なる場合があります。
またヒューマンエラーでスペルミスがあったら許してください。

文法編

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名詞の性、定冠詞を制する者はすべてを制す

スウェーデン語には英語のa bookというaにあたる定冠詞が2種類あります。
それがen とett です。大体80%の名詞がen、残りの20%がettにあたるらしいのですが、これは一つ一つどの名詞がどっちなのかひたすら覚えていかなければいけません。

両性名詞はenで、例えばen bok, en tomato, en ananas, en melonなどです。
中性名詞がettで、例えばett hus, ett ägg, ett bröd, ett äppleなどです。

これを覚えていないと、文を作る時に間違えだらけになってしまいます。

単数、複数形の名詞の変化を覚える

名詞の性があることを覚えたところで次は名詞の単数形、複数形そして定形と不定形が待っています。

  • 単数形とはenettで数えている状態のことです。つまり一つだけのもの。
    例. Jag har en bok…私は本を一冊持っています。
      Jag har ett äpple …私はリンゴを一つ持っています。

  • 複数形とは一つ以上のものです。
    例. Jag har böcker…私は本(一冊以上)を持っています。
      Jag har äpplen...私はリンゴを(一つ以上)持っています。


この単数形は話の中で一番最初に紹介するときくらいにしか使いません。
En名詞は3種類の変化をして、ett名詞は2種類の変化をします。複数形の変化で5種類ほど身につけなければいけません。

定形単数、定形複数の名詞の変化を覚える

定形単数と定形複数とは、英語でいうとthe girlとthe girlsのtheのついた単数系と複数形のことです。
スウェーデン語ではこれは名詞自体が変化します。なので英語みたいにTheとs付けとけばいいやっていうんじゃなくて名詞の変化した状態を覚えておかなければいけないのです。

  • 定形単数の例
    hus... huset = the house.... その家
    flicka... flickan ... the girl .... その女の子
    bil... bilen ... the car... その車

    これは基本的に簡単で en名詞はen又はnを名詞の後ろに、ett名詞はetを名詞の後ろにくっつけるだけです。

  • 定形複数の例
    husen ... the houses .... その家々
    flickorna ... the girls .... その女の子たち

    定形複数は大概-na/-rnaの状態で終わるものがほとんどなのですが、husのように例外もあります。

人称代名詞の覚えなおし

人称代名詞とは英語でいうとI, my meです。
まぁこれはそんなに難しいことではないのですが、英語の人称代名詞にはなくあまり親しみのないものもあります。

それがni, やmanになります。
Niはduのようなものですが、複数いたり、丁寧に言うときによく使われるようです。
Manは、例に上げるときなど特に誰かを差すときではないときに使います。

つまり使い慣れない人称代名詞はあまり使わなくて、頑張って使おうとしても使おうとしたころにはどういう変化をするのか忘れてたりします。

所有代名詞も定冠詞に制されるスウェーデン語

所有代名詞とは、私の物、貴方のものといった英語でいうとmine, yoursあたりになります。
これがスウェーデン語では定冠詞によって変化していきます。
例を挙げていきます。

  • Den är min bil!
  • Den bil är min.
  • Det är mitt hus!
  • Det är mina äpplen!
  • Är det din bil?
  • Är det ditt hus?
  • Är det dina äpplen?

これはもうペアでマッスルメモリーで覚えていくしかありませんね。個人的にはえーそれも変わっちゃうの?って感じでげんなり状態です。

形容詞も定冠詞によって変わっちゃうよ☆

形容詞とは例えば青い、可愛い、低い、短いなどの言葉があたるのですが、個人的にスウェーデン語では色が特に厄介です。

例えば…

  • vit (白)
    en vit tvål 一つの白い石鹸
    ett vitt bälte 一つの白いベルト
    vita byxor 白いズボン(複数)

  • fin(可愛い)
    en fin flicka 一人の可愛い女の子
    ett fint hus 可愛らしい一つの家
    fina byxor 可愛いズボン(複数)

これも簡単な変化なのですが身に着くまでは原型を連呼します。enもettも関係ないっ!!!

動詞の変化はそんなに簡単じゃなかった

スウェーデンの動詞は英語と似たような変化をして何を後ろにくっつけるか大体覚えるのは英語と同じなのですが、スウェーデン語の動詞にはグループが存在し、すべての動詞がグループに振り分けられています。そしてその活用変化が複雑なのです。
スウェーデン語には以下の5つの形があります。

  1. 命令形/語幹 命令形。原型。

  2. 不定形 to doのような、toにあたるattの後ろに動詞を置く場合はこの形。

  3. 現在形 基本的にarerになる。rが最後につくのは確実。

  4. 過去形 基本的にdeが後ろにつく。たまにt。

  5. 過去分詞 基本的にtが後ろにつく。たまにit。

ーーー 命令形/語幹 不定形 現在形 過去形 過去分詞


これはほぼ英語と同じですね。
この時点で楽勝☆とか思って調子に乗ってたんですが、さすがゲルマン語。動詞は6つのグループに分類されます。
またそのグループも1~3がルールのあるグループ 、グループ4~5はルールに沿わないイレギュラーグループに分かれます。

  • グループ1 現在形が-arで終わる動詞。prata, simma jobba spela

  • グループ2A 現在形が-erで終わる動詞。ring, stäng, bygg

  • グループ2B 命令形がp, k, s, t, xで終わる動詞。köp, lek, läs

  • グループ3 短い動詞。må, bo, tro

  • グループ4 イレギュラー動詞。辞書で一々調べてどういう変化をするのか確認しなければいけない。var, se, går

  • グループ5 強動詞。動詞の中の母音が変わるだけで命令形とほぼ変わらない形。drick, sjung, sov

    グループを上で使ったテーブルに加えるとこんな風になります。

グループ 命令形/語幹 不定形 現在形 過去形 過去分詞
グループ1 prata prata pratar pratade pratat
グループ2A ring ringa ringer ringade ringt
グループ2B köp köpa köper köpte köpt
グループ3 mår mådde mått
グループ4 se se ser sag sett
グループ5 drick dricka dricker drack druckit

めちゃめちゃややこしい!
よく知らないけどグループ2Cっていうのもあるみたいですがそれは教わらなかったです。

細かすぎる動詞の意味

動詞は複数の意味を持っていたり、考えるという動詞も3種類くらいあったりします。
代表的なのはtänkar, tror, tyckerです。
なので自分は何について言っているのかそこで決める必要があります。

tänkarは予定していることや未来についてなどに使います。例えば「来週の旅行について考えてる」とか。
trorは信じてるものか、実際はどうか知らないものに使います。「(よく知らないけど)そうだと思うよ」とかはこっちに入ります。
tyckerは意見を述べるときに使います。例えば「この映画はとっても良かったと思うよ」など。

こういったちょっとしたニュアンスの違いがあって、少しでも違う動詞を使うと訂正が入ります。
言葉は正しく使えと。

動詞は絶対2番目だけどほかはぐるんぐるんと入れ替わる

スウェーデン語の文法のルールとして、絶対的なのが動詞は必ず2番目に置いてねっていうところです。

Jag har en penna.
典型的なSVOの型で動詞のharが2番めに置いてあります。

しかしスウェーデン語では時間や場所を一番最初に話すと、この動詞は2番目ルールのせいで主語の位置が入れ替わるんです。
例えばさっき使った分に今という時間を足すとこんな風になります。

Nu har jag en penna.

見て分かるように、時間+動詞+主語+目的語という順番になっています。

またスウェーデン人は文頭がいつも同じ語だと嫌がるので、典型的なSVOの順と一緒に常にこれを使い続けます。

あとはHuvudsatsとBisatsでルールが変わるし、文法に関してはルールはあるけどそういったイレギュラーパターンのせいでとってもランダムに言ってるように聞こえてとっても混乱するんです。

リスニング編

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音と音がくっつく現象で知ってる単語も知らない音になっちゃう

リスニングではトーンアシュミレーションと呼ばれる2つの音が変化してより均等になるという摩訶不思議な現象があります。
例えば、Snabbtという単語は最後のTの音によりbがpとして発音されています。
このため、書いてあるスペルとは違った発音になります。
これを正しく理解しつつ話さなければいけません。

聞くのは読むのより難しい

読むだけなら理解できるのに、上で説明したトーンアシュミレーションもあるし、会話するのにある程度語彙を知っていなくては会話が成り立たないです。
そして全ての単語を正しく聴きとらなくてはいけないし、聴くことは読むことより難しいのです。

語彙

語彙数を増やすのが大変

語彙数は会話を成立させるのに不可欠です。しかしこの語彙数が上で紹介した活用や変化が多いのでそれにキャパシティを取られて新しい単語が全然頭に入ってきません。

似たような言葉が多すぎる

語彙数を増やすのが大変な理由がもうひとつあります。古き良き昔からあるスウェーデン語の語句が同じような単語を多用しているためやたら頭が混乱してしまいます。
個人的にはförがつく単語は覚えにくいです。ちなみにスウェーデン語でförがつく動詞がたくさんあるんですわ。

まとめ

スウェーデン語はドイツ語に近くフランス語から借りてきた語句などもあったりして、近隣国の人がスウェーデン語を勉強するにはとても勉強しやすい言語みたいです。
日本人にとっての韓国語を勉強する感じでしょうか。

英語を喋れると英語と似たような単語や文法があったりしてちょっと助かるのも事実ですが、それが感じられるのも20%~10%くらいです。

個人的な意見としては母国語である日本語とはかけ離れた言語なので、よほど頭のいい人でない限りは苦労するんじゃないでしょうか。
そういう人以外は時間をかけてじっくりと身に着けていかなければいけません。
あと英語話せたりすると英語話しちゃったりして全然身につかなかったりもします。
あとは自分との闘い。